Journal of Okayama Medical Association
Published by Okayama Medical Association

<Availability>
Full-text articles are available 3 years after publication.

中枢神経障害における胃粘膜障害の研究 第2編 ラット胃粘膜Prostaglandin E(1)を中心として

原田 仁史 岡山大学医学部第一内科
Thumnail 98_1037.pdf 485 KB
抄録
脳障害に伴う急性上部消化管病変は1952年Cushingによって詳細に検討,報告され1),以後Cushing ulcerと呼ばれており,多くの検討がなされている.著者も第1編においてヒト脳血管障害における急性上部消化管病変を内視鏡的に検討した.さらに本編にて胃粘膜障害を中枢神経障害モデルと水浸拘束モデルで検討し,胃粘膜Prostaglandin(以下PG)E(1)の分泌調節機序と,防御因子としてのPGE(1)の胃粘膜障害への関与の程度を明らかにするため研究を行った.PGは消化管においては,胃分泌抑制作用2),抗潰瘍作用3),下痢誘発作用4)などを有しており,抗潰瘍作用は胃分泌抑制作用とは独立した作用であるとされている5,6).このためPGは最近では胃粘膜防御因子の一つとして論じられている.しかし胃内のPG分泌量は小量であり,その防御因子としての働きが生体にとってどの程度の意義があるかは確認されていない.また, PG分泌と自律神経との関係についても定説はない.著者の用いた2種類の実験モデルの1つは水浸拘束ストレスモデル7)であり,もう1つは脳内に合成樹脂を注入した圧迫破壊法による脳障害モデル8)である.後者のモデルに関しては教室の永原が基礎的研究を行ない,胃病変が高率に発生し,酸・ペプシン分泌の有意の低下,胃粘膜糖蛋白転移酵素活性の有意の低下,硫酸アトロピン投与による活性低下の抑制を報告している.
キーワード
Prostaglandin E(1)
ストレス潰瘍
防御因子
中枢神経障害
交換神経系
ISSN
0030-1558
NCID
AN00032489