Journal of Okayama Medical Association
Published by Okayama Medical Association

<Availability>
Full-text articles are available 3 years after publication.

ニワトリの発生と発育に伴うcatecholamine及び5-hydroxytryptamineの変動に関する研究 ―特に卵黄,脳,心臓,肝臓,腎臓について―

福井 正佳 岡山大学医学部脳代謝研究施設機能生化学部門
Thumnail 98_965.pdf 658 KB
抄録
鶏卵は,胚の発育過程において形態の解剖学的な情報が多いことから,発生形態学の研究に広く使用されているほか,物質の生化学的発生過程の研究にとっても最適な手段の1つであり,これまでに,胚の発育,孵化及び成鶏に至るまでの成長過程におけるmonoamines量やそれらの合成,代謝系の諸酵素の変化についても幾つかの報告がなされている.Burack and Badger1)は,(3)H-dihydro-xyphenylalanine(DOPA)を早期の胚homogenateとincubateしてまずdopamine(DA)が生成されること,ついでnorepinephrine(NE)さらにepinephrine(E)が生成されるようになることを示している.ついで, Ignarro and Shideman2)は,孵卵3日目以後の胚心臓中にNEとEを,また4日目以後の胚心臓中にDOPAとDAを検出し,発生及び発育に伴う変動を報告するとともに,孵卵早期からの心臓中におけるtyrosine hydroxylase, DOPA decarboxylase, dopamine-β-hydroxidase及びphenyletha-nolamine-N-methyltransferase活性の存在を明らかにしている3). Ignarro and Shideman4)はさらに胚及び胚心臓への(3)H-NE及び(3)H-Eの取り込みや細胞下分布を詳細に調べているが,無精卵及び受精卵の卵黄にはNEとEが存在し,DOPAとDAは存在しないと報告しており,NEとEは孵卵4日目に卵黄より胚に移行することを示唆している.その他,脳についても発育に伴うNE,E及びDAの変動が報告されている5),6),7),8).次に5-hydroxytryptamine(5-HT)については,Bourne9)がニワトリ孵卵の胚脳内の5-HTとMAO活性の発生について報告しており,孵化後の発育に伴う5-HTやMAO活性の変動についても観察している9),10).しかし,中枢以外の諸臓器,肝臓,腎臓などについての観察は報告されていない.われわれ11)は,先にニワトリの発生と発育に伴なうグアニジノ化合物の発生と発育について観察を行ったが,α-グアニジノグルタル酸などのグアニジノ化合物のけいれん発現機構には脳内アミンの変動が関与している可能性が示唆されている12).従って本研究においては現在われわれが使用している実験動物としての白色レグホーン種ニワトリの諸臓器中のcatecholamine(CA)及び5-HTの発生と発育に伴なう変動を系統的に測定し,白色レグホーン種ニワトリを使用したmonoaminesに関連する諸実験の基礎データーとするため以下の実験を行った.なお,従来の報告のmonoaminesの測定方法は主として,蛍光定量法あるいはガスクロマトグラフィーによるものであったため,特に高分離能,高感度測定が可能な高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による測定値を知ることも本研究の目的に含まれている.
キーワード
鶏卵
発生
catecholamine
5-hydroxytryptamine
ISSN
0030-1558
NCID
AN00032489