Journal of Okayama Medical Association
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右室冠循環に及ぼすαおよびβアドレナリン作用の影響(実験的検討)

安部 行弘 岡山大学医学部第一内科学教室
Thumnail 98_931.pdf 2.13 MB
抄録
近年虚血性心疾患における冠攣縮の役割が注目され,冠攣縮を認めた患者では交感神経の緊張が亢進しており,α受容体を介する冠血管収縮がその一因をなしていることが報告されている1).Chahineら2)は,人での冠攣縮は右冠動脈では左冠動脈に比し頻度が高いことを報告しており,左右冠動脈ではα受容体を介する冠血管収縮の程度が異なる可能性がある.また左冠動脈におけるα受容体を介する冠血管収縮は,心筋酸素需要増加による代謝性の冠血管拡張時にも重要な役割を果し,両者は互いに競合する状態にあるとされている3).しかし,冠攣縮の頻度がより高い右冠動脈のこのような冠血管収縮の役割については知られていない.一方冠循環へのβ受容体刺激による作用としては,冠動脈へのβ(2)受容体を介する直接作用と,β(1)受容体刺激による心筋への陽性変力作用を介するものが知られている.このうち,β(2)受容体を介する血管拡張については, β(1)およびα-blocker投与後にのみみられることから,生理学的にはさほど重要でないとされている4)ものの,詳細については不明の点が多く特に現在まで交感神経刺激によるβ受容体を介する右冠動脈への影響を検討した報告はみられない.左室とは形態や仕事量の全く異なる右室に分布する右冠動脈では,交感神経刺激に対する反応が左冠動脈とは異なることが推測される.そこで今回の研究では,β-blocker前処置下にて左右心臓交感神経刺激あるいはNE投与をおこない,左右冠動脈で冠血管収縮の程度に差があるか否かを検討した.またα-blocker投与下で,左右心臓交感神経刺激をおこない,β受容体を介する冠循環への影響を左右冠動脈で比較した.
キーワード
alpha-adrenergic effect
beta-adrenergic effect
right ventricle
right coronary artery
sympathetic nerve stimulation
ISSN
0030-1558
NCID
AN00032489