Bulletin of Faculty of Health Sciences Okayama University Medical School
Published by Faculty of Health Sciences Okayama University Medical School

<Formerly known as>
岡山大学医療技術短期大学部紀要 (1巻-9巻)

看護職における離職の実態及び離・転職願望と諸要因との関係

猪下 光 岡山大学医療技術短期大学部看護学科
抄録
本研究の目的は,臨床看護婦の離職の実態と離職願望およびその背景因子との関連性について実証分析を行うことである。2箇所の地方都市の公立病院で働く看護婦582名を対象として,離職と転職の意志と理由ならびに個人要因と職場要因についての調査を実施した。その結果,次のような知見を得た。 1) 地方都市の大規模公立病院で働く看護婦の8割が卒業後ずっと同じ病院で勤務していた。 2) 実際の離・転職者は調査対象者の約15%であり,その7割を20代が占めた。 3) 20歳代の離職には2つの理由が見られた。一つは結婚・出産および家族の世話による離職であった。職業と家庭の両立は困難と考えていた。もう一つは未婚の看護婦による他の看護職への転職であった。 4) 約6割が離職願望をもっていた。離職願望の背景として,仕事要因と個人要因および年齢的な特徴が見られた。すなわち,20代では自分の適性や能力への不安。30歳代では子育てと労働条件の負担。40歳代以降では健康上の理由であった。しかし給料との関連は低かった。 5) しかし地方都市の公立病院においては離職者は減少傾向にあり,就労形態は「若年短期未婚型」より「中高年継続就労型」へと以降しているものと考えられた。
キーワード
看護職 (nurses)
離職の理由 (resign)
離・転職願望の背景 (desired resign)
ISSN
0917-4494
NCID
AN10355371