Bulletin of Faculty of Health Sciences Okayama University Medical School
Published by Faculty of Health Sciences Okayama University Medical School

<Formerly known as>
岡山大学医療技術短期大学部紀要 (1巻-9巻)

側頭葉てんかんの海馬萎縮と臨床像の検討 ―MRIを用いた海馬萎縮の簡易評価―

佐藤 圭子 国立療養所南岡山病院神経内科・臨床研究部
岡本 基 岡山大学医療技術短期大学部衛生技術学科
上着 郁夫 岡山大学医学部放射線医学教室
中津 武志 岡山市立市民病院神経内科
森本 清 香川医科大学神経精神医学教室
早原 敏之 国立療養所南岡山病院神経内科・臨床研究部
黒田 重利 岡山大学医学部神経精神医学教室
抄録
側頭葉てんかん患者39例の海馬萎縮をMRIを用いて評価し,臨床像との関連を検討した。MRIの冠状断short SE像で海馬の幅を計測し,萎縮側海馬の村側海馬に対する比(a)を求め,海馬萎縮(+)群;a<0.8,11例,境界群;0.8≦a<0.9,13例,海馬萎縮(-)群;a≧0.9,15例の3群に分けた。海馬萎縮(+)群で罹病期間が長い傾向があった。また,発作間歇期脳波の焦点側は海馬委縮(+)群の11例中9例で萎縮側と一致した。しかし,発病年齢,MRI撮影時年齢,発作頻度,全般化発作の有無,抗てんかん薬総服用量,知能障害,精神症状,生下時仮死の有無については3群間で差が認められなかった。この結果から,側頭葉てんかんにおける海馬萎縮は,生下時や全身けいれん発作時の低酸素状態によるものではなく,脳局所の反復するてんかん性発射と関連する可能性が示唆され,海馬萎縮の機序を考えるうえで興味深く思われた。
キーワード
側頭葉てんかん (temporal lobe epilepsy)
海馬委縮 (hippocampal atrophy)
罹病期間 (clinical history)
MRI
発作間歇期脳波 (interictal EEG foci)
ISSN
0917-4494
NCID
AN10355371