Bulletin of Faculty of Health Sciences Okayama University Medical School
Published by Faculty of Health Sciences Okayama University Medical School

<Formerly known as>
岡山大学医療技術短期大学部紀要 (1巻-9巻)

成人を対象にした腎移植に関する文献的考察 ―看護学の立場から―

林 優子 岡山大学医療技術短期大学部看護学科
抄録
慢性腎不全の治療法の一つに腎移植がある。この文献検討の目的は、医学、精神医学、心理学、社会学ならびに看護学における腎移植に関する諸外国を含めた最近の研究論文を吟味し、今後の腎移植看護の実践や研究に必要な課題を明らかにすることである。文献検討は、看護学の立場から重要と思われる腎移植を受けた成人を対象にした研究論文を集めて、それを基に行った。その結果、腎移植は人工透析やCAPDよりもQOLを高める治療法であり、慢性腎不全患者にとっては期待が大きく関心の高い治療法であることが明確になった。また移植後に新たな身体的、心理的、精神的及び社会的な問題が生じることによって、レシピエントはストレスフルな状況にさらされやすいこと、レシピエントの効果的な対処の仕方がQOLを高めることなどがわかった。これらの知見から、腎移植看護の発展のためには、腎移植者の生活体験の意味を明らかにしたり、効果的な看護介入・教育の開発をめざした研究や、移植前から移植後を通じての継続的な看護の取り組みが今後の課題として考えられた。
キーワード
移植医療
腎移植 (kidney transplantation)
QOL (quality of life)
対処 (coping)
腎移植看護 (nursing intervention)
patient education
ISSN
0917-4494
NCID
AN10355371