Bulletin of Faculty of Health Sciences Okayama University Medical School
Published by Faculty of Health Sciences Okayama University Medical School

<Formerly known as>
岡山大学医療技術短期大学部紀要 (1巻-9巻)

各種固定用緩衝液が与える電子顕微鏡像への影響

赤塚 和也 岡山大学医療技術短期大学部衛生技術学科
抄録
生物学的あるいは生化学的な緩衝液を使用して作製された電子顕微鏡試料と従来の電子顕微鏡用として使用されている緩衝液で作成した試料とで電子顕微鏡像から比較検討した。HEPES緩衝液で作製した試料の電子顕微鏡像は、従来の電子顕微鏡に用いられている緩衝液で作製した試料から得られた電子顕微鏡像と非常によく似た像を示し、このHEPES緩衝液は電子顕微鏡の固定用緩衝液として使用できることが認められたが、その他(PIPES、MOPS緩衝液)の緩衝液ではあまりにも細胞内の可溶性物質が溶出しすぎて使用に耐えなかった。電子顕微鏡学研究において使用されうる固定用緩衝液は細胞内のオルガネラの保持が余りにも良い場合には、その微細構造の解析が困難になり、程々に細胞内の可溶性物質が溶出した方が解析がし易くなると思われ、この様な観点から、今回使用したHEPES緩衝液は生物学的あるいは生化学的な研究から引き続き電子顕微鏡用の試料を作製する際、同じ緩衝液が使用できることが認められた。
キーワード
電子顕微鏡 (electron microscopy)
微細構造 (ultrastructure)
肝細胞 (liver cell)
カコジル酸緩衝液 (cacodylate buffer)
HEPES緩衝液 (HEPES buffer)
ISSN
0917-4494
NCID
AN10355371