Bulletin of Faculty of Health Sciences Okayama University Medical School
Published by Faculty of Health Sciences Okayama University Medical School

<Formerly known as>
岡山大学医療技術短期大学部紀要 (1巻-9巻)

O大学病院のICUにおける家族看護の課題―看護記録からの分析―

渡邉 久美 岡山大学医学部保健学科看護学専攻
竹内 加恵 岡山大学医学部・歯学部附属病院集中治療部
岡野 初枝 岡山大学医学部保健学科看護学専攻
発行日
2004-12-15
抄録
O大学病院のICUにおける家族看護のあり方を検討するため,過去の記録から入室患者の特性と家族の状況を把握し,課題を明らかにした。128例の看護記録を資料に,患者の入室理由,入室期間,転帰の状況を分類し,入室期間別の家族の言動等から,家族看護の必要性について検討した。また,家族に対する看護実践を,家族に関する情報の記載の有無から評価した。その結果,ICU入室患者の9%が死亡退院で,そのうち受け持ち看護師の決まっていない入室後3日以内に死を迎えた患者の家族へのフォローが充分に行えていなかったこと,また,14日以上の長期入室患者の家族には,全事例に家族に関する情報が 記載されており,看護師が家族の気持ちや疲労感,患者への回想などの語りを捉えていたことが明らかとなった。今後は,短期間で死亡の転帰となった家族へのグリーフケアや,長期入室患者の家族に対する継続看護の評価が必要である。
キーワード
ICU (Intensive Care Unit)
家族看護 (Family Nursing)
クリティカルケア (Critical care)
ISSN
1345-0948
NCID
AA11403004
NAID
JaLCDOI