Bulletin of Faculty of Health Sciences Okayama University Medical School
Published by Faculty of Health Sciences Okayama University Medical School

<Formerly known as>
岡山大学医療技術短期大学部紀要 (1巻-9巻)

食道癌術後の嚥下感覚の変化に対する考察 ―頸部電気インピーダンスおよび嚥下音を用いた嚥下活動評価―

森 恵子 岡山大学医学部保健学科
山本 尚武 岡山大学医学部保健学科
中村 隆夫 岡山大学医学部保健学科
楠原 俊昌 岡山大学医学部保健学科
抄録
食道癌患者は腫瘍による狭窄のため,程度の差はあるものの,術前より通過障害を認めることが多い。食道癌と診断され,手術を自己決定した患者の多くは,手術をして罹患前のように食事ができるようになりたいと思っている。しかし,患者の多くが術後に嚥下感覚の変化に遭遇する。現在,手術前に実施されるインフォームドコンセント(以下IC)では,術後に起こる嚥下感覚の変化については説明が行われていない。そのため患者は,経口摂取が可能になった時点で嚥下感覚の変化を自覚し,強い不安を感じる。今回, 5人の患者に術後の嚥下感覚の変化に関するインタビューを実施するとともに,術後の嚥下活動を頸部電気インピーダンスおよび嚥下音を用いて測定した。インタビューの結果, 5人全てが,術後に嚥下感覚の変化を自覚し,不安を感じていた。また,青年健常者と比較し,IPG波形の多相化と,嚥下音の咽頭期以外での発生が認められた。患者が,術後に起こる嚥下感覚の変化についてのICを望んでいることからも,術後の嚥下感覚の変化についてのICを行なう必要がある。
キーワード
食道癌 (esophagus cancer)
嚥下障害 (swallowing disorder)
生体電気インピーダンス (bioelectrical impedance)
インフォームドコンセント (informed consent)
ISSN
1345-0948
NCID
AA11403004