自動現像機の濃度管理に用いられるフィルムの保存については,種々の報告がなされており,最良の方法が確立されているとは言い難い。さらに,レギュラフィルムとオルソフィルムの保存方法の違いによる濃度管理への影響,あるいはこれらの比較については,これまでほとんど報告されていない。本論文では,われわれは,レギュラフィルム,フジnew-RXとオルソフィルム,コニカSR-G,SR-VおよびSR-Hを用い,開封後,室温,冷蔵,冷凍の3種類の保存方法を採用した。われわれは,35週間3種類の保存方法で4種類
のフィルムのgross fog,speed indexとaverage gradientへの影響を調査した。その結果レギュラフィルムは,3種類の保存方法による差が認められなかった。オルソフィルムでは,冷蔵・冷凍保存に大きな特性変動が認められた。その原因として,オルソフィルムは増感色素が結露に対して敏感に影響を受けたと考えられた。
自動現像機 (automatic processor)
濃度管理 (density control)
フィルム保存 (film preservation)
結露 (dew condensation)