岡山大学大学院教育学研究科研究集録
Published by 岡山大学大学院教育学研究科

ISSN 1883-2423

状況的学習論の再検討 ― ドレイファスのハイデガー解釈に注目して ―

平田 仁胤 岡山大学大学院教育学研究 Kaken ID
発行日
2016-02-25
抄録
本稿では,レイヴとウェンガーによって主張された状況的学習論に内在する問題を,その思想的源流に位置づけられるM.ハイデガーの著作『存在と時間』から指摘した。状況的学習論は実践共同体への正統的周辺参加こそが学習であると主張するが,それは同時に,共同体の意味連関に回収されてしまう頽落でもある。共同体において可視化される実践テクノロジーに馴染み,アイデンティティを獲得することが,そのまま当該実践共同体の自明視につながり,反省を困難にしてしまうのである。
キーワード
ハイデガー
実践共同体
透明性
意味連関
頽落
ISSN
1883-2423
NCID
AA12338258
NAID
JaLCDOI