本稿は,「ユニバーサルデザイン教育カリキュラムのための基礎研究」の継続研究である。本研究は,UDによる個の尊重などの視点を通した美術教育を学校教育や地域社会の中で実践するための教育カリキュラムの構築を目指している。本稿では,小学校から高等学校までの長期的なカリキュラム構築のため,UDを鑑賞するためのツールの一つとしてPPP(プロダクト・パフォーマンス・プログラム)を取り上げ,教育的効果等の検討を行った。さらに,教育実践での効果を再度検討するため,高等学校・美術(デザイン領域)の授業で試行的にPPPを活用した。その結果,UDによる教育カリュラムでの教育効果を高めるための,文言の精査,運用方法など,PPPのカスタマイズの方向性を示すことができた。