本研究は,行政・NPO・大学の三者が連携をしてESDを展開するための方法を,具体的な学習プログラムの開発を通して明らかにしていこうとするものである。新教育課程が実施されるようになって,ESDは学校の教育活動の柱の一つとして注目されるようになってきている。しかし,一部の先進的な学校を除いては,教師の間でESDが十分に理解されているとは言い難い現状が見られる。ESDについては行政やNPOの活動の影響が大きく,それらの機関には実施のためのノウハウが蓄積されている。学校においてESDを効果的に展開するためには,それらの機関が持っている研究の成果を活用して行くことが重要であるが,そのためにこれらの機関をつなぐコーディネーターの役割を果たすのが大学ではないか。本研究では,学校と行政機関やNPOの連携に基づくESD実施の前提として,大学が行政やNPOと連携していかにESDを実施していくかを,平成23年度に実施した取り組みを通して明らかにしていきたい。