Bulletin of the Field Science Center, Faculty of Agriculture, Okayama University
Published by Field Science Center, Faculty of Agriculture, Okayama University

<Formerly known as>
岡山大学農学部農場報告 (1号-23号)

津高牧場の繁殖障害とリン酸塩投与試験の概要

井上 良 岡山大学
奥島 史朗 岡山大学
岸田 芳朗 岡山大学
小寺 将之 岡山大学
斉藤 克己 岡山大学
山奥 隆 岡山大学
抄録
津高牧場に発生する繁殖障害に関して,すでに報告した昭和57年までの成績に引続き,昭和58~60年の成績をとりまとめ,この間に実施したリン酸塩投与試験についても概要を示した。すなわち,受胎率は年次により,季節により変動を示し,冬季に高まる傾向は従来と同様であるが,従来受胎率の低かった8月に比較的高い受胎率が得られた。濃厚飼料に混合した給与法,あるいは食塩と混合して自由舐食させたリン酸塩の投与群では,時期によって対照群よりかなり高い受胎率を得たが,全期間では投与群が21.6%の受胎率で,対照群よりは高いものの不充分な成績であった。また,年度別,前後期別に調査した発情間隔の平均値は22.0日で,前報の場合よりも正常値に近かった。産子の性比は前報のめすの多い年度が続いていたが,今回は逆におすの多い年度が続いていた。生時体重は次第に増加する傾向があり,59,60年度ではめすに換算して27kg以上の平均値を示したが,58年度はやや小さかった。在胎日数は289.0日で前報と同様に長いことが認められた。しかし前報で述べた出生前の在胎日数293日以上の雌牛が不妊になるという仮説は否定された。また,自由舐食させたリン酸塩の1日1頭当たり消費量は12.1gから88.7gまで,時期によってかなり変動したが,この変動の一部は平均気温の変化に基づくことが推測された。子牛の生時体重は年度によって変化したが,最近ではこの変化が初産牛産子の生時体重変動に基づいていることがわかった。さらに,年度別の受胎率と初産牛産子の生時体重をその年の気象条件と比較したところ,降水量の多い年には受胎率が高く,翌年の生時体重も高くなる傾向が見出された。
ISSN
0910-8742
NCID
AN00149012