Bulletin of the Field Science Center, Faculty of Agriculture, Okayama University
Published by Field Science Center, Faculty of Agriculture, Okayama University

<Formerly known as>
岡山大学農学部農場報告 (1号-23号)

津高牧場に発生した繁殖障害について

井上 良 岡山大学
奥島 史朗 岡山大学
岸田 芳朗 岡山大学
抄録
津高牧場では,その建設当初から繁殖成績が著しく不良であったが,その間の発情記録,授精記録,分娩記録を整理して障害の様相をまとめた。その結果,120日non-return法で求めた受胎率は,昭和52年から57年の全期間で15.9%であり,54年以降の受胎率が特に不良であった。季節別には5月~9月の受胎率が特に低く,また,当場で生れた牛の繁殖成績が不良であった。昭和53~57年度の平均発情間隔は22.6±2.6日で,年度間に1%水準の有意差があって,53,54年度は平均23.5日と長かった。昭和52~57年度の産子は100頭で,めすが58,おすが42頭であったが,年度によって、おすが著しく少ない年が多かった。生時体重は,めすに換算した6年間の平均で24.3±4.1kgであったが,年度問に1%水準の有意差があり,53, 54年度は21.5,19.8kgと低かった。正常産子の在胎日数は289.3±6.2日で,年度間に有意差はなく,正常よりもかなり長くなる傾向が認められた。また,出生前に在胎日数の長かった牛は,成長後の繁殖成績が悪く,293日以上であった牛には受胎例がなかった。繁殖障害の原因は当牧場の生産する粗飼料中の微量栄養素の欠乏あるいは過剰にあると推測され,Ca, P, Mn, Zn, Co, Cu, Se, β-カロチンの投与を試みたが,今のところ原因はつかまれず,対症療法としてProgeste rone, prostaglandine等の投与を試みたが, これも的確な対策とは認められなかった。
ISSN
0910-8742
NCID
AN00149012