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ID 13245
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13245
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タイトル(別表記)
The Mongolian View of the Cosmos and the Spirit in the Early Modern Times
著者
包 龍 岡山大学
抄録
現代モンゴル人は、大抵が人は死ぬとまた生まれ変わることができるという輪廻転生の観念をもっている。この生まれ変わる段階で何に生まれ変わるか、あるいはどのような人物に生まれ変わるか、または六道輪廻から解脱するかはその人のガルマ (善悪の業困)によって決定されると信じられている。従ってその世界観が天界、地下界、 (地獄)中間界などに分かれるのである。 この明らかな仏教的思想をモンゴルの人々が本格的に受け入れ始めたのは、いまから430年ぐらい前のことである。この歴史も長そうではあるが、北方民族やモンゴル民族の歴史に比較すると、まだ浅いものだといえる。 では、こうした仏教的宇宙観や霊魂観を受け入れる前、あるいは仏教の流れが行き届かなかった辺境地のモンゴル人社会ではどのような世界観がみられるのかを考察する必要がある。チベット仏教がモンゴルに流入し始めたのは、西部では1570年代で、東部では1620年代のことである。「ハイシッヒ1998など」モンゴル帝国時代には、チベット仏教を始めとする多くの宗教がモンゴルを改宗しようと努力した様子はあったが、モンゴル本土 (原任地モンゴル高原)にはそれほど浸透しなかったのである。一時フビライ・ハーンがチベット仏教サキヤ派を信仰し、バクパ・ラマを国師にしてモンゴルの貴族たちを仏教化する時代はあったが、これもモンゴル帝国の崩壊によって、モンゴルへの影響が失われたといえる。中国から北の本土 (モンゴル高原)へと追放された人々は仏教を持ち帰ることができず、再びシャマニズムを信仰するようになった「エルデムト2001など」。そのため北元時代の人々もシャマニズムを信仰し、昔同様な世界観と霊魂観をもっていたと考えられる。 しかし現在では、モンゴル・シャマニズムの宇宙観や霊魂観に対する説明は非常に複雑な様子をみせている。仏教あるいは他の宗教の影響で古代モンゴル人の持っていた宇宙観や霊魂観が徐々に薄れて行き、仏教的宇宙観や霊魂観と混在した状態といえる。こうした中、一部のシャマンあるいは研究者でさえ、この混在した様子から抜け出せずにモンゴル・シャマニズムの宇宙観や霊魂観に対する 誤った説明を行っていると思われる。 それはつまりシャマニズムに地獄が作られたり、地下界があったり、あるいはシャマンの霊魂が生まれ変わるなどといった解釈である。しかしこれらは明らかに仏教寄りの世界観であって、シャマニズム本来の独自性を表すことができていないようである。 またたとえばモンゴル帝国時代のモンゴル軍の強さを分析した研究にしても、従来はほとんどがモンゴル人の騎馬民族的性格からの研究や軍の組織への研究または兵術や兵器の研究などによって説明が試みられる。しかし実際モンゴル人の宇宙観や霊魂観などの内心的なものがどのように影響していたかに対する研究は、世界またはモンゴルにおいても余り行われていないようである。では、以下いくつかの物語や研究などから当時のモンゴル人の宇宙観や霊魂観を考察してみよう。
発行日
2007-11
出版物タイトル
岡山大学大学院社会文化科学研究科紀要
出版物タイトル(別表記)
Journal of Humanities and Social Sciences
24巻
1号
出版者
岡山大学大学院文化科学研究科
出版者(別表記)
Graduate School of Humanities and Social Sciences, Okayama University
開始ページ
81
終了ページ
93
ISSN
18811671
NCID
AN10487849
資料タイプ
紀要論文
言語
Japanese
OAI-PMH Set
岡山大学
著作権者
岡山大学大学院社会文化科学研究科
論文のバージョン
publisher
査読
無し
Sort Key
7
Eprints Journal Name
hss