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ID 614
Eprint ID
614
FullText URL
Author
Ishimura, Ryo
藤林 哲哉
Kuroda, Toshiro
Abstract
本試験はこれまでの直播栽培法の一層の省力化,安定性,多収性および低コスト化を目的として1992年に引き続き無代掻き作溝直播栽培法の実証試験を行った。岡山大学農学部附属農場の水田において品種日本晴を用い,1993年5月18日に乾田状態の水田に溝幅30cmと20cmで作溝を行い,10a当り4.5kgの種子を動力散粒機で播種し,播種後湛水を行った。作溝幅30,20cmそれぞれの区についてカルパーを粉衣した区と無処理区を設けた。また,参考区として慣行移植区を設けた。倒伏防止を目的として出穂前17日に倒伏軽減剤を直播区と移植区の一部に処理した。得られた試験結果の概要は以下のとおりである。(1)湛水後の溝の深さは,溝幅30cm区および20cm区ともに,播種翌日に約1/2となり,湛水直後の溝の崩壊に伴って種子が覆土されることが確認された。(2)出芽・苗立ち率はいずれの区でも高く,特に溝幅30cm区で,さらにカルパー粉衣区で高くなった。また,種子深度は溝幅30cm区が溝幅20cm区より深く,覆土効果は溝幅30cm区で高かった。さらにカルパーを粉衣した区で覆土効果が高くなる傾向があった。(3)穂数は移植区に比べ直播区で,溝幅20cm区に比べ30cm区で多くなったが,カルパー粉衣による影響は小さかった。一穂穎花数は直播区に比べ移植区で多かったが,m2当り穎花数は各区ともに24~28×103の範囲にあった。精玄米収量は溝幅30cm・カルパー粉衣区で582g・m-2と最も高く,移植区よりも多収を示した。(4)9月上旬に接近した台風の影響で各区ともに倒伏がみられたが,倒伏軽減剤の処理により上位節間,葉身長,穂長が短縮し,処理区では全く倒伏が認められなかった。しかし,倒伏軽減剤処理により移植区では増収が認められたが,直播区では収量に及ぼす影響は小さかった。
Published Date
1995-12-28
Publication Title
岡山大学農学部農場報告
Publication Title Alternative
Bulletin of the Research Farm, Faculty of Agriculture, Okayama University
Volume
volume18
Publisher
岡山大学農学部附属農場
Publisher Alternative
Research Farm, Faculty of Agriculture, Okayama University
Start Page
1
End Page
7
ISSN
0910-8742
NCID
AN00149012
Content Type
Departmental Bulletin Paper
language
Japanese
File Version
publisher
Refereed
False
Eprints Journal Name
bfsc