このエントリーをはてなブックマークに追加
ID 8120
Eprint ID
8120
FullText URL
Thumnail K001884.pdf 218 KB
Author
河村 直己
Abstract
3d遷移金属(3d-TM)化合物におけるK-吸収端のX線近吸収端構造(XANES)およびX線磁気円二色性(XMCD)を利用して3d-TMの電子状態および磁気状態について調べた.このX線吸収分光法の特長を活かすことによって,3d-TM化合物の多様な磁気的性質を電子状態の観点から考察した.3d-TMイオンおよび配位子を変化させたときの3d-TMおよび酸素のK-吸収端XANESスペクトルの系統的な変化から,吸収端近傍の構造はTMイオンの3d電子状態を強く反映していることを見出した.スピネル型フェライトMFe(2)0(4)(M=Cr~Cu)におけるXMCDの系統的な変化から,サイトによる寄与を分離した.また,金属性Fe化合物のXMCDでは配位子からの電荷移動によるFeの電子配置の変化を議論した.さらに,K-吸収端に対する磁気光学総和則の適用によって,4p軌道磁気モーメントを求め,酸化物と金属性化合物では互いに反対符号を持つことが明らになった.XMCDスペクトル中に観測される多電子励起(MEE)シグナルに対する系統的な変化から,MEEの特徴を捉えることによってその機構の解明を行った.エネルギー位置,強度,幅等の特徴からshake-up過程に付随する3p→4p単極遷移は否定され,終状態が(1s)(1)(3p)(5)(3d)(n+2)で表されるsuper Coster-Kronig遷移であることを提案し,実験的にそれを立証した.X線吸収分光法を利用して電子状態を議論するためには,エネルギ一分解能および統計精度の点で第三世代放射光の利用が適している.そこでSPring-8 BL39XUにおいて透過型移相子とピエゾ素子およびロックイン検出法の組み合わせによる「偏光変調法」XMCD測定を確立した.エネルギー分解能および統計精度に格段の向上が得られ, XMCDスペクトルに新たな微細構造が観測された.これによって,電子状態や磁気状態の詳細を議論することが可能となる.
Published Date
1999-03-25
Publication Title
Content Type
Thesis or Dissertation
Grant Number
甲第1884号
Granted Date
1999-03-25
Thesis Type
博士(理学)
Grantor
岡山大学
Thesis FullText
Thesis or Dissertation (See FullText URL)
language
日本語
File Version
publisher
Refereed
Unknown