安全工学会Acta Medica Okayama0570-44805352014事象の主体と振舞に注目した進展事象の統合解析法317324ENHirotsuguMINOWAYoshiomiMUNESAWA 事故の再発防止には,過失を解析し将来に活かす事が求められている.ただ,現在の解析は,専門家が事例を深く読み解く解析が主であり,複数の事例を横断した解析は共通要因の抽出迄に留まっている. そこで,本研究では従来の横断解析法を高度化した進展事象の統合解析法を提案する.本手法は,事故やヒヤリハット等事例の進展事象を主体と振舞という単位のキーワードに分離し,同一の主体と振舞に該当するキーワードを連結する統合化により,事例の横断解析を可能にした.そして,事象の進展経路とその経路を辿る頻度を基に,危険同定,頻度解析,部分的なリスク解析と,その可視化を実現した. 本統合解析法をPEC事故事例423件へ適用した結果,タンクから再発しうる危険事象を8種類と同定し,頻度が高い要因は破損26 %,腐食21 %,高いリスクは破損3.3×10^(-2)[リスクランク/年],破壊2.5×10^(-2)[リスクランク/年]である事を可視化できた.No potential conflict of interest relevant to this article was reported.安全工学会Acta Medica Okayama0570-44805152012単語の共起や頻度に注目した注意要因及び類似事例の抽出319326ENHirotsuguMINOWAYoshiomiMUNESAWAKazuhikoSUZUKI 事故事例の統計解析により,事故の共通要因を抽出する試みがなされている.しかし,その手法は膨大な言葉で記された事故の詳細を,「操作ミス」,「能力不足」といった人為的に定められた分類要因へ分類する統計解析であるため,解析結果から直接事故の要因を知ることは難しい.
そこで本手法は,自然言語処理の機械テキストマイニング技術を用い,形態素解析で事故報告書等の文章中の出現頻度の多い単語を注意要因として抽出し,注意要因を用いて原因表現をグループ化するという方法で類似事例を抽出する.グループ化された類似事例は,事例の数から事故の頻度を定量的に評価でき,頻発する事故の内容を知ることができる特徴がある.本手法をPEC-SAFER事故事例集に適用し注意要因や類似事例を抽出する事ができたので報告する.No potential conflict of interest relevant to this article was reported.安全工学会Acta Medica Okayama0570-44805352014安全教育のため手の甲によるバルブ速度測定画像認識法295302ENHirotsuguMINOWAYoshiomiMUNESAWAKoheiHASHIMOTO 人的要因の事故を防止する為,仮想現実感を利用した訓練の実現が期待されている.仮想環境での訓練の利点は実環境に近い環境で訓練できる点にある.しかし,プラント内で基本操作であるバルブの操作をシステムへ伝えるユーザ・インタフェース(UIと省略)は現在なく,実環境に即した訓練ができない問題がある.
そこで本研究では,仮想環境におけるバルブ開操作訓練を実現するバルブ操作UI開発のため,バルブの丸ハンドルの回転速度を測定する画像認識手法を提案する.本手法はバルブの丸ハンドルを回す手から取得した光学的自然特徴点を利用する.本バルブ開操作UIはPC,Webカメラといった一般的な製品を用い平易に実現できる利点がある.
本手法は,評価実験で22.5-90deg/sを測定できる事を確認できたため,発火危険を想定したバルブ操作訓練のためのUIに適用できる事が明らかとなった.No potential conflict of interest relevant to this article was reported.