Scientific Reports of the Faculty of Agriculture, Okayama University
Published by the Faculty of Agriculture, Okayama University
ONLINE ISSN : 2186-7755

カロチノイドの生化学的研究 (第1報)ホウレン草と人参緑菜のカロチノイドについて

Takagi, Shigeaki
Shiroishi, Masahide
Abstract
ホウレン草緑葉,人参葉及び人参根からFolch法によってカロチノイドを調製し,精製を行なった. なかでもホウレン草中のカロチノイドについてはクロロフイルよりも極性の大きい3種の(S-I,S-II,S-III)カロチノイドを単離し,カロチノイド部分の同定を行なった結果,S-IはLutein,S-IIはAuroxaanthin,S-IIIはCrocetinであった. S-IIとS-IIIは糖陽性であり,その構成糖を分析の結果ガラクトースであることが確認された. 従来,緑葉中の主要カロチノイドとしてβ-Carotene,Lutein,Violaxanthin,Neoxanthinが挙げられているが,本報告の緒果からはβ-Carotene,Lutein,Auroxanthin,Crocetinが明らかとなっており,この点は緑葉の機能とカロチノイドの生理活性などを論じる場合重要な事項となるので,さらに検討を進めて行きたい. 人参葉と根のカロチノイドを比較すると,炭化水素系の非極性カロチノイド量が根に圧倒的に多く,極性の大きいそれは約20%に過ぎない. とくにS-III(Crocetin)に相当するものの含量比が小さい. いっぽう葉では前者が少なく,極性カロチノイドは約60%に達する. この葉におけるカロチノイド含有比率の傾向はホウレン草葉についても認められ,極性カロイドが根よりも光合成機能を有する緑葉に多い事実は,これらカロチノイドの生理活性の示唆するものである。
ISSN
0474-0254
NCID
AN00033029