Scientific Reports of the Faculty of Agriculture, Okayama University
Published by the Faculty of Agriculture, Okayama University
ONLINE ISSN : 2186-7755

レタスの生態に関する研究 (第5報)レタスの凍害について

渋谷 茂
木下 恵介
Abstract
1)1967年秋―1970年春にわたりレタスGreat Lake 54を材料として越冬栽培における凍害状況につき圃場観察を行なうと同時に低温恒温器を用いレタス幼植物の低温による致死温度の検定を行なった. 2)圃場観察や実験の結果レタス凍害の状況には次の3つのPatternが存在することが認められた. (1)1st pattern:冬季の初期0℃~-2℃位低温の頃起るもので,このpatternでは葉表皮下の凍結が認められ,表皮は離脱するが,未だ凍結は同化組織に及ばない. (2)2nd pattern:厳冬季になると同化組織も凍結するが-2℃~-12℃位では細胞外結凍で温度が上昇すると氷晶は溶け幼植物は元の状態に恢復する. (3〕3rd pattern:約-12℃以下の低温になると同化組織は細胞内凍結を起すようであり急速に致死する. 3)9月下旬~10月上旬播の幼植物は表皮下や同化組織内の細胞外凍結を継り返すが,幼植物は衰弱することなく越冬して翌春新葉が生まれ完全結球するので,当地では越冬栽培が成立するが,完全結球した成熟株は厳寒時凍結を繰返すうち次第に衰弱して枯死する. 4)葉齢の若い幼苗は成熟して結球したものに比べ葉内の糖分や惨透圧が高く越冬態勢をそなえている. 5)度々低温に遭遇してhardeningの行なわれた苗は,そうでないものに比べ耐冬性が高い. 6)1枚の葉について見るに糖分等濃度曲線が引かれるが,表皮下の凍結部分はこの曲線のゾーンと関係している. 7)トンネル被覆は生育の遅れた場合の結球進促や,結球株の凍害防止に効果が大きく,トンネルの両側面を開いた状態においても凍害防止に約半ケ月以上の効果が認められる。
ISSN
0474-0254
NCID
AN00033029