Scientific Reports of the Faculty of Agriculture, Okayama University
Published by the Faculty of Agriculture, Okayama University
ONLINE ISSN : 2186-7755

キャンベル・アーリーの早期落葉に関する研究 (第1報)葉中及び果実成分含量の季節的推移との関係

Honda, Noboru
Okazaki, Mitsuyoshi
Hiramatsu, Keiji
Abstract
1.前報10)の如く早期落葉の著しい葡萄樹について,葉中及び果粒中の無機成分の季節的消長と早期落葉との関係について考証した.1961年5月15日から11月1日まで15日おきに強勢樹,中勢樹及び弱勢樹について結果枝の基部,中部及び先端の3部分の葉と副梢葉を採取し,そのおのおのについてN・P・K・Ca・Fe及びMnについて分析した.2.6月15日における強勢区,中勢区及び弱勢区の結果枝上の3部分の葉についての平均N含量は3.09,3.01及び2.83%であって,それ以後漸減し,8月15日のそれはおのおの1.81,1.77及び1.74%となった.特に弱勢区においてはN成分の急減が早い時期,すなわち,7月上・中旬頃から甚だしい程度におこっており,これが早期落葉と関連があると考えられる.3.葉中のP・K及びCaの含量の推移からみてこれらの成分含量が早期落葉の原因とは考えられない.また,7月15日及び8月1日の葉中のFeとMn含量について調査したが,これらの要素が落葉に関連するとは思われない.4.本葡萄園の結果枝の本梢集中の各区平均Mg含量は6月15日から8月1日の間に20%以上も減少しているが,このようなこととMg含量がこの頃0.20%を下廻ることを知ることが潜在的苦土欠乏症発見の一方法であり得る.5.中勢区の葉中Mg含量は他区よりも低目に推移し,特に基部葉のMg含量が7月15日から8月1日の間に顕著に急減した.このことが前報10)に述べた8月第5半旬において各区は勿論特に中勢区の落葉のピークが著しいことと関連すると思われる.6.果実中のMg含量がStoning開始直前に当る7月1日以降,収穫開始期に当る8月15日までの間に急増する.本園の葡萄樹ではすでに潜在的苦土欠乏症状に陥っているので,特に果実1kg当りの葉面積が最も少ない中勢区で葉中Mgの減少が著しいものと思われる。
ISSN
0474-0254
NCID
AN00033029