Okayama Economic Review
Published by the Economic Association of Okayama University

世界的景気循環の影響下における小国の為替レート変動に関する覚書き

Abstract
本稿では,開放マクロ経済学でよく利用される Mundell-Fleming モデルの動学版を2つの方向に拡張し,そこから得られる為替レートの変動を調べる。第1の拡張は,定常状態での局所的な Marshall-Lerner 条件を維持しつつ,大域的にはそれが満たされない状況を定式化することである。より詳しく言うと,通常の定常状態の近傍では小国である自国の通貨の減価は純輸出を増加させるが,為替レートがその範囲を超えると,逆に自国通貨の減価が純輸出を減少させるという状況である。第2の拡張は,大国である外国,あるいは世界経済,が持続的かつ周期的な景気循環に曝されている状況をモデルに組み入れることである。このような設定のもとで,為替レートが自国通貨高均衡と自国通貨安均衡のそれぞれの周囲を経巡るような複雑な変動を生じることを計算機による数値計算により観察する。
ISSN
0386-3069
NCID
AN00032897