Okayama Economic Review
Published by the Economic Association of Okayama University

<論説>中小企業におけるターンアラウンド戦略~V字回復に向けて~

Tani, Yukiharu
Enomoto, Satoru
Abstract
本論文ではターンアラウンドを成功させた中小企業について,ターンアラウンドの危機的状況とそこから脱出するターンアラウンド戦略の特徴を明らかにする。戦略がないと指摘される日本企業であるが,ターンアラウンド状況においては出血を止める短期的取り組みの「縮小戦略」と持続的競争優位をつける長期的取り組みの「復帰戦略」が必要である。特に後者の場合,特定市場に特定製品を集中させ競合他社との差別化を図り競争優位を確立するためには戦略的視点が重要となる。これら戦略に加え,ターンアラウンドを成功させるためには,リーダーシップの発揮やステークホルダーの支援 などをとりつける必要がある。この研究では,Robbins & PearceⅡ[1992]の「縮小戦略」と「復帰戦略」を時間軸の視点として捉え,さらに,その時間軸上においてSlatter & Rovett の「ターンアラウンドに必要とされる7つの要素」がどのように展開されるかを大企業と中小企業において同じフレームワークを用いた分析を試みる。そして,中小企業のターンアラウンド戦略の特色を提示したい。
ISSN
03863069
NCID
AN00032897