Journal of Okayama Medical Association
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容量負荷時の右冠動脈血行動態と右室心筋酸素代謝

Takeda, Kou
Thumnail 98_943.pdf 1.24 MB
Abstract
近年心機能の測定方法が進歩するにつれて,心臓ポンプ機能におよぼす右心室の影響が指摘されている.臨床的にはRI angiography法, cineangiography法,実験的にはradioactive microsphereを用いて右室機能,右室心筋血流量が測定できるようになり,右室機能の重要性が注目されてきた.また右室梗塞は従来考えられていたよりも頻度が高く,心筋梗塞の14-34% に認められ1)2),Cohnら3)は,右室梗塞の臨床像,治療の特殊性を指摘している.右室は左室に比して内圧が低く,かつ壁厚が薄いにもかかわらず,右冠動脈潅流圧は左冠動脈と等しい.したがって右室では左室と異なった心筋酸素代謝が営まれていることが考えられる.しかし従来左室心筋酸素代謝に関する報告は多いが,右室のそれに関する報告はほとんどない.右室機能さらには右室梗塞の重要性が指摘されるにつれて,右室心筋の酸素代謝の解明が重要となってきた.Murrayら4)は動物実験においてradioactive microsphereを用いて,安静時では右室の心筋血流量は左室のそれの約2/3であると報告し,Kusachiら5)は動物実験で前心静脈血の酸素濃度を測定することにより右室の心筋酸素代謝を検討し,圧負荷時の心筋酸素需要の増加に対して右室は左室と異なり,冠血流量とともに右室の心筋酸素摂取率も増加させると報告している.著者は主として容量負荷を加えた時および心臓のグローバルな虚血時の右冠動脈血行動態と右室の心筋酸素代謝を左室のそれと比較検討した.
ISSN
0030-1558
NCID
AN00032489