岡山大学農学部附属山陽圏フィールド科学センター津高牧場は約30年前に開設され、現在まで黒毛和種の系統維持や繁殖雌牛の改良を行っている。津高牧場で生産された雌牛は脂肪交雑基準の育種価において岡山県内で最高ランクにされるなど、高い能力を持つ個体が作出されつつある。しかし、これまでに蓄積された体尺および体重の測定記録は相当な数に達するが、未だ育種学的検討が加えられていない。そこで本研究では、津高牧場で測定された黒毛和種集団の体尺測定記録および体重の記録を用いた基礎分析を行い、初期成長能力に関する現状の把握と、この能力に影響を及ぼす要因について明らかにすることを目的とした。