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ID 9379
Eprint ID
9379
FullText URL
Author
Inada, Toshinori
Abstract
頓阿の家集「草庵和歌集」(正・続)が南北朝・室町時代および江戸時代を通じて、二条派和歌の聖典として広く享受されてきたことは、諸々の方面から確認できる。南北朝・室町時代の歌人たちは「草庵集」を写本で繙読しただろうが、江戸時代になると、版本が上梓されたので、それによって享受されることの方が多かったと推測される。江戸時代には、まず承応二年(一六六四)に、各々版本が刊行されている。『國書総目録』によると、承応二年板は、内閣文庫本以下五部、寛文四年板は慶応大学本以下二十部を各々掲出しているが、特別に多く現存するというほどではない。この二度にわたる版本の上梓は、江戸前期の歌人たちの渇をいやしたであろうが、元禄以降になると、「草庵集」を解体し、歌題別に分類、組織変えした「草庵和歌集類題」(以下「草庵類題」と略称)なる版本が一般に広く流布したようである。この事実は、すでに武者小路実影・似雲・澄月などの「草庵集」の享受の様相を辿ったところでも一言触れたことがあるが、彼らは皆、このコンパクトで便益な「草庵類題」を手許に所持し、詠歌の際に規範として活用していた。また、この本は、『國書総目録』に、元禄八年板、寛延四年板、安永四年板、嘉永二年板の諸版本が掲出されているように、頻繁に重刷された。この「草庵類題」は、「草庵集」(正・続)を解体し、歌題別に編纂したものだが、元禄頃から江戸時代を通し、人々に最も親しまれた頓阿の家集だけに、編纂に際して依拠した「草庵集」の伝本、本文の信頼度、編纂方針など、いわゆる成立問題の解明が改めて必要となる。
Published Date
1986
Publication Title
岡山大学教育学部研究集録
Publication Title Alternative
Bulletin of School of Education, Okayama University
Volume
volume73
Issue
issue1
Publisher
岡山大学教育学部
Publisher Alternative
Faculty of Education, Okayama University
Start Page
19
End Page
37
ISSN
0471-4008
NCID
AN00032875
Content Type
Departmental Bulletin Paper
language
日本語
File Version
publisher
Refereed
False
Eprints Journal Name
bgeou